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睡眠雑学 2026.08.10

世界の睡眠事情|昼寝大国から短眠国家まで、眠りの文化を比較

世界地図と時計をイメージした写真

1日の3分の1近くを占める睡眠時間ですが、その過ごし方は国や文化によって驚くほど違います。長い昼休みを取ってしっかり昼寝をする国もあれば、氷点下の屋外で赤ちゃんを昼寝させる国も。今回は、そんな世界の睡眠事情を雑学として紹介します。

世界一睡眠時間が短い国はどこ?

経済協力開発機構(OECD)が2021年に発表した加盟33か国の生活時間調査によると、加盟国全体の平均睡眠時間は8時間28分でした。この調査の中で、もっとも睡眠時間が短かったのが日本で、平均7時間22分。OECD平均より1時間以上短い結果となっています。

日本に次いで短いのが韓国(7時間51分)で、この2か国だけがOECD平均を大きく下回る水準でした。一方、南アフリカや中国は日本より2時間近く長く眠っているというデータもあり、同じアジア圏でも国によって大きな差があることがわかります。ちなみに、睡眠時間がもっとも長かったのは米国だったと報告されています。

シエスタ文化とその変化

「昼寝の国」というイメージが強いスペインの「シエスタ」ですが、実は近年その姿は大きく変わってきています。もともとシエスタは、気温が上がる昼過ぎの時間帯を避け、いったん帰宅して家族とゆっくり昼食をとり、少し休んでから仕事に戻るという生活スタイルから生まれた習慣です。

しかし都市化が進み、自宅と職場が離れて暮らす人が増えたことに加え、国際競争力を高める狙いから、スペイン政府は2006年に公務員のシエスタ制度を正式に廃止しました。現在では都市部を中心に、長い昼休みを取る習慣自体が縮小しているといわれています。実際に本格的な昼寝をするスペイン人は少なく、食後に20分ほど仮眠を取る程度という声も多いようです。

一方で近年は、短時間の昼寝が午後の集中力を高めるとして、欧米や日本の企業でも「シエスタ制度」を導入する動きが広がっています。伝統文化としてのシエスタは縮小しつつも、その考え方自体は形を変えて世界に広まりつつあるといえそうです。

世界のユニークな睡眠習慣

世界にはほかにも、思わず驚くような睡眠にまつわる習慣があります。

デンマークやスウェーデンなど北欧の国々では、冬でも赤ちゃんをベビーカーに乗せたまま屋外で昼寝させる「オープンエアスリーピング」という習慣が広く根付いています。気温が氷点下になる日でも、十分に暖かい服で包んだ赤ちゃんを、庭先やカフェの外席、保育園の園庭などで眠らせるのが一般的です。この習慣は、冷たい外気を吸うことで深く眠りやすくなる、風邪をひきにくくなるといった考え方から生まれ、100年ほど前の結核対策をきっかけに北欧全土に広まったとされています。海外から来た旅行者が驚いて通報してしまうケースもあるほど、文化的な違いが表れるエピソードです。

また、現代では「夜通し8時間ぐっすり眠る」のが当たり前とされていますが、これは人工照明が普及した産業革命以降に広まったスタイルだという指摘もあります。歴史学者の研究によると、産業革命以前のヨーロッパでは、日没後に一度眠る「第一の睡眠」と、夜中に1時間ほど目覚めて過ごしたあとに再び眠る「第二の睡眠」という、夜を2回に分けて眠る「分割睡眠」が一般的だったとされています。夜中に目が覚めてしまうことを過度に気にする必要はない、という視点は、現代の私たちにとってもひとつのヒントになるかもしれません。

北欧の雪の中、あたたかく包まれて眠る赤ちゃんの写真

日本人の睡眠時間は本当に短いのか

先に紹介したOECDのデータからも、日本人の睡眠時間が国際的に見て短い水準にあることは確かなようです。厚生労働省の調査でも、成人の35〜50%が睡眠時間6時間未満と回答しており、とくに20代から40代の働き盛りの世代でその傾向が強いとされています。近年の民間調査でも、働く世代の平均睡眠時間はOECDが示す日本の平均をさらに下回る結果が報告されており、慢性的な睡眠不足は根強い課題であることがうかがえます。

興味深いのは、睡眠時間が同じように短い韓国と日本でも、余暇の過ごし方に違いが見られる点です。ある調査では、日本人が余暇に「休息・睡眠」を選ぶ割合が突出して高い一方、韓国では「運動・スポーツ」を選ぶ人が多いという結果が示されており、同じ東アジアの中でも睡眠に対する意識には違いがあることがわかります。

よくある質問

Q. 日本人の睡眠時間が短いのはなぜですか?

労働時間の長さや通勤時間、生活習慣など複数の要因が指摘されていますが、単一の原因に特定することは難しいとされています。文化的な背景として「睡眠時間を削ってでも頑張ることが美徳」とされてきた側面も指摘されています。

Q. 昼寝の習慣は日本でも取り入れるべきですか?

短時間の昼寝(10〜20分程度)は、午後の集中力回復に役立つ可能性があるとして、企業や学校で導入が進んでいる例もあります。ただし長すぎる昼寝は夜の寝つきに影響することもあるため、時間を区切って取り入れるのがよいとされています。

Q. 夜中に目が覚めてしまうのは異常なことですか?

歴史的には、夜を2回に分けて眠る「分割睡眠」が一般的だった時代もあり、夜中に目覚めること自体が必ずしも異常というわけではありません。ただし、目覚めた後になかなか寝つけず日中の生活に支障が出る場合は、生活習慣の見直しや専門家への相談を検討することをおすすめします。

まとめ

睡眠時間や眠り方は、気候や労働文化、歴史的な背景によって国ごとに大きく異なります。日本は国際的に見て睡眠時間が短い国のひとつですが、その背景を知ることは、自分自身の睡眠習慣を見直すきっかけにもなりそうです。

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